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(厚生福祉 2007年6月5日 掲載) |
| 病院のある街<いまとむかし> 11 -河内湖が町になった- |

(タウン誌『アゴラ』コラム「ちょっとパロ―レ」No53 2007年6月号掲載) |
| 病院のある街<いまとむかし> 10 -大庭庄のこと- |
1年前から週に1回、水曜日の午後から美化運動をしている。約1時間、院庭、玄関、前面の道路のゴミをみんなで拾っている。前より清潔になったように思う。最近ゴミを拾う範囲が広がってきた。どんどん遠くまででかけてゴミを集めるようになった。
これは、心理学教授フィリップ・ジンバルド(米国、1969)の理論の応用である。ナンバープレートを取り外し、ボンネットを開けたままにした車を、住宅街に1週間置いてみた。1台はそのままで、別の1台はフロントガラスがひび割れた状態で放置した。普通のほうは1週間たってもそのままだったが、ガラスを割ったほうの車は数時間後には、ラジエーターとバッテリーが持ちさられた。2日後には価値のあるものはすべて取りさられた。座席のカバーは裂かれ、パーツは引き剥がされ、そして子どもの遊び場として用いられた。
小さい無秩序を放置しておくとやがて大きな犯罪を平気でやってしまうというのが「割れた窓ガラス(ブロークン・ウィンドウ)理論」なのである。割れた窓ガラスを放置しておくと、他の窓ガラスも割ってもかまわないというサインとなり、法を犯すことなど考えたことのない人にとっても、ある種のお楽しみの行為のターゲットになる。
病院の附近は、清潔は守られていると人々が思っている。小さなゴミ、煙草の吸殻、空カンひとつから、それまでの秩序を守る風潮が簡単に揺るぎだすのである。
(西浦 信博)
(月刊AGORA 2003年7月1日 掲載) |
| 病院のある街<いまとむかし>9−浄水場前の片側・桜通り− |
1月28日放映されたNHKスペシャル「頭脳立国インド」を観て驚いた。貧困層が多いといわれるビハール州のパトナで、33才の校長クマールさんが熱心に数学を教えている授業風景が映された。パトナの町は水たまりとゴミが散乱し、大学予備校といっても黒板とトタン屋根だけの大きな作業場である。300人が真剣に勉強していた。選抜された30人から、昨年ITT(インド工科大学)へ28人が入学した。このITTからすぐれたSEがアメリカ、ユーロ諸国、日本に送られ、また全世界からIT関連の仕事の注文があり、いまやインドはBRICsの中でも最先端を走っているといわれる。しかしITT卒業生が注目されはじめたのも、ようやくベルリンの壁の崩壊以後、ついこの間ということになる。
この1月に出版された伊藤洋一著「ITとカースト一成長の秘密と苦悩」を読んで、さらに深く現状を知ることができた。グローバリゼーションがこの15年で足早に進展したおかげで、都市の若年層は階層従断的にITその他の関連事業に参入しインド経済の発展に大きく貢献している。しかし11億人の80%は農民層であり、3000年来のヒンズー教に強く縛られ、識字率は60%にとどまっている。当然「読めない、書けない」人々は多重債務となり、自殺者が増加している。都市に流入した貧困層の中からエイズ感染者が増加し、世界第2位510万に達した。私は思う。バランスのとれた国の発展をどうすればよいのか。
(西浦 信博)
(タウン誌『アゴラ』コラム「ちょっとパロ―レ」No52 2007年4月号掲載) |
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